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ASTON MARTIN Vanquish S メンテナンス (ミッション修理)

ASTON MARTIN Vanquish S メンテナンス (ミッション修理)になります。


ギアが入らず走行不能になってしまうとのことで、修理のご用命をいただきました。
お車を弊社ロードサービスにてお引き取りした際にも現象が発生し、症状を確認することができました。

弊社では、お車が走行不能な場合でも、弊社スタッフが積載車にて車両を引き取りに伺います。
ロードサービスだけの業者などを通すことがなく、故障の状況なども直接お話を聞くことができますので、
安心してお任せいただければと思います。

各種保険のロードサービスにも対応しておりますので、
故障でお困りの際などは、弊社までお気軽にお問い合わせください。

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早速お車を工場へ入れ、アストンマーティン純正テスタにて各モジュールの故障コードを読み出し。
引き取り時にパドルの節度に違和感は感じていましたが、
エンジンやトランスミッションのモジュールにもパドルの信号に不具合があることを示すコードが入力されていました。

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ハンドルを取り外し、パドルシフト周りを分解していきます。
パドルのレバーを抑えるカバーを固定しているリベットが損傷してしまい、
レバーが固定できない状態になっていましたので、修理をさせていただきました。

修理後は、パドルの操作は正確に受け付ける状態になったものの、
ギアの入りが悪いままでしたので、診断を続けていきます。

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再度アストンマーティン純正テスタを接続。
Vanquishは、ギア操作を油圧にて自動で行うのですが、
ギアを人の代わりに操作するアクチュエーターの位置を調整する必要があります。

現在の位置が基準値とどれくらいずれているかを、純正テスタにて確認できますので、
位置の確認をすると、大幅にずれてしまっていることがわかりました。

実際の調整には、トランスミッションを降ろす必要がありますので、
お客様へ状況をお伝えし、作業を進めさせていただきました。

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マフラーやプロベラシャフトを取り外し、ミッションを降ろします。
ミッションを降ろしたあとは、アストンマーティンの純正ツールである、
セットアップツールキットを使用。車両とミッションを延長ハーネスや延長ホースで接続し、
ミッションが車載されているのと同じ状態にし調整を実施していきます。

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アストンマーティンの定めるセットアップ手順に則り、
アクチュエーターの位置の調整を行っていきます。
最後の増し締めをするだけでもずれてしまうほど、とてもシビアな調整が必要となりますので、
慎重に作業を行い、最後に位置にズレがないことを純正テスタにて確認しミッションを載せていきます。

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油圧でギヤチェンジやクラッチ操作を行うためのASMオイルを交換、エア抜き。
こちらの作業にも純正テスタの使用が必須となります。

エア抜き後は、清掃しながらマフラーやアンダーカバーを取り付け車両を復元していきます。

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引き取り時バッテリー電圧も低下しており、ジャンピングによりエンジンを始動した為、
バッテリーも新品へ交換させていただきました。

作業後は、ロードテストにて異常がないことを確認。
スムーズなシフトフィールのお車になりました。

この度はご依頼いただき誠にありがとうございました。